喜んで薬を飲んでもらいたい!

執筆獣医師 秀嶋 綾

投薬補助のおやつ【メディボール】も犬猫それぞれ6種類に増え、今では多くのワンちゃん・猫ちゃんが使ってくれています。

メディボールは製造・開発の方たちと一緒に、私たち臨床獣医師が試行錯誤しながら作ったおやつです。

メディボールが出来上がるまで

製品になるまでの試作回数は数えきれないほどでした。私たち臨床現場の人間もペットたちに喜んでもらうために妥協はできません。わずかな味の違いや硬さの違い、大きさ、パッケージに至るまで、何度も何度も開発・製造の方々とやり取りを重ね、スタッフの飼っている犬猫に試食してもらい、時には自分でも食べてみて今のメディボールが出来上がりました。

薬を飲ませるためのおやつですから、とにかく嗜好性が大事ですが、治療中の病気に影響してはいけません。また、味の好みもそれぞれです。

メディボールの初めての試作は好きな子の多い「ササミ味」にし、原材料は厳選した低脂肪のササミを選びました。ボール状に柔らかく作ることは開発の前から決めていましたが。柔らかくするためには水分を多くすればよいかと思うのですが、水分を含み柔らかく作るということは、乾燥しやすく壊れやすく、また傷みやすくもあります。

これらをクリアして柔らかさを保つにはどうすればよいか、大きな薬も包めるサイズはどれくらいか。本当に理想のものが出来上がるのか不安になった時期もありました。

開発の皆様も私たちの度重なる要求に、常に真剣に取り組んでくれました。

 

メディボールのMediはmedicine(薬)から来ています。薬玉、ですね。

余談ですが、飾り物のくす玉は「薬玉」とも書くようです。古くは香料を詰めて玉にして、邪気を払い寿命を延ばすものとして5月5日の端午の節句に飾られたそうです。

美味しい薬玉、気に入ってくれればお薬の時間がうれしい時間に変わります。

 

そしてお薬をあげるときだけではなく、日々のお気に入りのおやつにしていただければ、薬を入れても全く警戒なく食べてくれるようになります。

 

メディボールについての詳細はこちら