慢性腎臓病と向き合うために
執筆獣医師
田中 千泰
犬の慢性腎臓病は、年齢とともに増えてくる代表的な病気のひとつです。
初期の段階では目立った症状が出にくく、「気づいたときには進行していた」というケースも少なくありません。
「最近、水をよく飲むようになった」
「おしっこの量が増えた気がする」
こうした小さな変化が、腎臓からのサインであることもあります。
今回は、慢性腎臓病の基本と、ご自宅でできるケアについてお話しします。
慢性腎臓病とはどんな病気?
腎臓は、体の中の老廃物を尿として排出する大切な臓器です。
しかし一度ダメージを受けた腎臓は元に戻りにくく、少しずつ機能が低下していくのが慢性腎臓病の特徴です。
主な症状
・水を飲む量が増える
・尿の量が増える
・食欲低下
・体重減少
・元気がなくなる
進行すると、吐き気や貧血など全身症状につながることもあります。

見逃しやすい初期サインと早期発見の大切さ
慢性腎臓病は、かなり進行するまで症状がはっきりしないことがあります。
そのため重要なのが、日常の変化に気づくことです。
チェックポイント
・飲水量が増えていないか
・トイレの回数や量に変化はないか
・食欲や体重に変化はないか
また、定期的な血液検査や尿検査により、症状が出る前に発見できる場合もあります。
特にシニア期に入った犬では、健康診断がとても重要です。
腎臓を守る生活の整え方
食事・水分・環境のバランスがカギになります。
①食事の工夫
腎臓病の管理では、食事内容がとても重要です。
・リンやタンパク質量に配慮する
・消化しやすい食事を選ぶ
・食欲に合わせて工夫する
食欲が落ちやすい病気だからこそ、「しっかり食べてもらう工夫」が欠かせません。
体調や食欲に応じて、補助的な栄養食を取り入れることも選択肢のひとつです。
📌 メディダイエット腎臓(ベッツラボ)
これは獣医師の臨床現場のニーズから開発された、腎臓に配慮した機能性栄養補助食です。ムース状で水分を多く含み、食欲が低下している子でも食べやすい設計になっています。リンやタンパク質量に配慮しながら、必要な栄養を効率よく補えるのが特徴です。
→ 食欲が落ちているときのサポートに
→ 水分補給を兼ねたやさしい食事として活用可能
※使用量や併用方法は、状態に応じて獣医師と相談してください。

②水分管理
腎臓病では、水分摂取がとても重要です。
・新鮮な水をいつでも飲める環境にする
・複数箇所に水を置く
・ウェットフードやムースタイプを活用する
自然に水分を摂れる工夫がポイントです。
③生活環境
・ストレスを減らす
・無理のない運動を維持
・快適な温度で過ごす
体に負担をかけない生活環境が、病気の進行を緩やかにする助けになります。
さいごに
慢性腎臓病は「治す病気」ではなく、「付き合っていく病気」です。
だからこそ、早く気づき、日々のケアを積み重ねることが何より大切になります。
食事、水分、生活環境。
ひとつひとつは小さなことでも、その積み重ねが将来の体調に大きく影響します。
「今できること」を無理なく続けながら、
大切な家族が少しでも快適に過ごせる時間を支えていきましょう。
✏️ 執筆者からの一言
腎臓病は不安の多い病気ですが、適切な管理で穏やかに過ごせる期間を延ばすことができます。
「食べてくれること」はとても大切なサインです。無理なく続けられる方法を一緒に見つけていきましょう。