健康寿命を延ばそう! シニア期のケア②
執筆獣医師
小堀 幸美
今回は前回に引き続き、シニア期に見られる体の変化についてご紹介します。
今回は
皮ふ・被毛・爪の変化
感覚器(眼・耳・鼻)の変化
認知機能の変化
の3つです。
年齢とともに現れやすいサインを知り、愛犬・愛猫の健康寿命を延ばしていきましょう。
3. 皮ふ・被毛・爪の変化
シニア期になると皮ふの新陳代謝がゆっくりになり、被毛や爪にもさまざまな変化が現れます。
ワンちゃん・ネコちゃんともに、
毛づやがなくなる
毛がパサパサする
フケが増える
皮ふがベタつく
毛が薄くなる・脱毛する
皮ふを痒がる
しこりができる
爪が伸びやすくなる・巻いてくる
などの変化が見られるようになります。
ワンちゃんの場合
関節の痛みなどから以前ほど散歩をしなくなると、爪が自然に削れなくなり、若い頃より伸びやすくなります。

ネコちゃんの場合
関節の痛みから高い場所へ登らなくなったり、爪とぎをしなくなったりすることで、爪が分厚く伸びやすくなります。
また、体を十分に曲げられなくなるため毛づくろいの回数が減り、毛が束になったり割れたように見えたりすることがあります。

ケアのポイント
・ブラッシングや爪切りをこまめに行いましょう。
・スキンシップの際には、全身を優しく触って、皮ふの状態やしこりがないか確認しましょう。
・ネコちゃんは毛づくろいが減っていないかも大切なチェックポイントです。
・薄毛や脱毛、赤み、かゆみ、しこりなどを見つけたら、早めに動物病院へ相談しましょう。
また、「病気ではなさそうだけれど毛づやが悪くなった」「皮ふが乾燥してきた」という場合は、水分不足が影響していることもあります。
飲水量を見直し、水分補給を意識してみましょう。
さらに、オメガ3脂肪酸やプロテオグリカンなどを配合したサプリメントも、皮ふや被毛の健康維持に役立ちます。
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シニア期の健康維持にもおすすめです。

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4. 感覚器の変化
眼・耳・鼻などの感覚器も、年齢とともに少しずつ衰えていきます。
次のような変化が見られたら注意しましょう。
物にぶつかるようになった
段差につまずく
暗い場所で歩きづらそう
呼んでも反応しない
家族を探している様子がある
深く眠る時間が増えた
眼が白く濁ってきた

眼が白く濁る原因には、加齢による変化だけでなく、白内障など治療が必要な病気もあります。
見た目だけでは区別できないため、「白くなってきたかな?」と感じたら、一度動物病院で診てもらいましょう。
ケアのポイント
・定期的に眼や耳の状態をチェックしましょう。
・眼が白い、赤い、目やにが多い、耳が赤いなどの症状があれば受診しましょう。
・段差を少なくし、家具の配置はなるべく変えないようにしましょう。
・視力が低下すると突然触られて驚くことがあります。名前を呼び、優しく声をかけてから触れてあげましょう。
また、眼の健康維持を目的としたサプリメントを早い時期から取り入れることもおすすめです。
5. 認知機能の変化
寿命が延びたことで、認知機能の低下(認知症)がみられるワンちゃん・ネコちゃんも増えています。
認知機能が低下すると、不安や混乱から今までとは違う行動が見られるようになります。
夜鳴きをする
昼夜逆転する
家の中を徘徊する
家の中で迷う
狭い場所に入り込んで出られなくなる
ぼんやりする
名前を呼んでも反応しにくい
性格が変わったように感じる


これらは認知機能低下の代表的なサインです。
認知症は、一度進行すると元の状態まで改善させることが難しいため、早めの予防とケアがとても大切です。
ケアのポイント
・生活リズムをできるだけ一定に保ちましょう。
・散歩や遊びなど、無理のない範囲で毎日刺激を与えましょう。
・コミュニケーションを増やし、脳への刺激を意識しましょう。
夜鳴きが続いたり、生活に支障が出る場合は動物病院へ相談してください。
症状を和らげるお薬やサプリメントが役立つこともあります。
猫ちゃんの夜鳴きは、認知症だけでなく、甲状腺機能亢進症や変形性関節症などによる痛みが原因で起こることもあります。気になる症状があれば、「歳のせい」と思わず、一度動物病院で相談してみましょう。
次回はシニア期のケア、最終回です。
シニア期の健康寿命を延ばすために欠かせない「シニア期のごはん」についてご紹介します。